MENU

Bach Festival (Buit誌 2023.6.19) 

Bach Fest In Leipzig ■

記事の内容

【ライプツィヒのバッハ音楽祭でお忍び訪問】 スーパースター、スティング(71)がドイツの教会をプライベートで訪問(6/15.2023)。満員の聖トーマス教会の身廊で聖トーマス少年合唱団を聴いているのは誰だろう?バッハ音楽祭にプライベートで参加しているスーパースターのスティング(71)だ。木曜日の夜、彼はギタリストのドミニク・ミラーと一緒に参加した。 『ロクサーヌ』などのミュージシャンであり、『ザ・ポリス』の創設者でもある彼は、バロックの天才ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が作曲した、最も美しいとされるライプツィヒのトップ合唱団のカンタータを聴いた。 モテット『Singet dem Herrn ein neues Lied(新曲を主に歌う)BWV 225、モテット『Der Geist hilft unser Schwachheit auf (御霊は私たちの弱さに救いを与える)』 BWV 226。
バッハフェスト芸術監督のマイケル・モール(46)、「スティングは絶対的なバッハ・ファンなんだ。受難曲を聴くのが好きなだけでなく、朝にはギターでバッハを弾くのも好きなんだ。トマス教会で、この世界的スターは合唱に敬虔に耳を傾けるだけでなく、拍手も惜しまなかった。スティングは「とても感動した」と芸術監督に明かした。
本名ゴードン・マシュー・トーマス・サムナーという世界的に有名な英国人であるスティングは、6月9日にマルクト広場で開催される "Tribute to Bach "フェスティバルにサプライズ・ゲストとして出演する予定だったが、長い交渉の末、ツアーのスケジュールと折り合わなかった。その前に、スティングはすでに偉大な作曲家を追いかけ、トマスキルヒホーフのバッハ・アーカイブを訪れていた。 ところで、スティングは「シュタイゲンベルガー・グランド・ホテル」で一夜を過ごし、金曜日の夜にはハレ(ザクセン=アンハルト州)で演奏する。その前に、スティングとバンド仲間のミラーはプライベートな文化旅行に出かけた。特に聖域にあるバッハの墓を見学した。復活祭には、スティングは聖ヨハネ受難曲のためにライプツィヒに戻りたいと考えている。

コメント

ドイツ・Buit誌(2023.6.19)の記事です。6.15日にスティングのツアーの途中で、スティングと一緒にライプチヒで開催中のバッハ・フェスティバルを訪問した、という記事です。ドミニクのファンの方ならご存知だとは思いますが、彼はとにかくバッハ命です。子供の頃にバッハに目覚めて以降その愛は変わることはありません。今は普段練習をするのはバッハだけです。彼は単純なスケール練習をしないで、バッハの曲を演奏することで、スケール練習も兼ねているようです。ただね、練習は音をちゃんと聞きながらゆっくりやりましょう。でないとあまり意味がありません。
後は普段は指の強さを衰えさせない為の、彼が『クロマチック・ヨガ』と呼んでるオクターブでのクロマチックスケールの練習をツアー中ホテルなどでもやってるようです。バッハの音楽に関してはやはりあの通奏低音や対位法から来る無限の作曲の可能性を感じているようです。

以前、彼はこんなふうにインタビューで答えていました。
「クラシック音楽は、すべての現代音楽の母体のようなものだ。特にヨハン・セバスティアン・バッハは、彼が最初の本格的な現代作曲家であるという意見に同意しない音楽家を私は知らない。クラシック音楽が重要なのは、半音階音楽から学ぶべき和声がたくさんあるからだ。なぜなら、バッハが250年前にやっていたことは本当に先進的で、今でも新鮮に聴こえる。多くの音楽家がバッハを好むのも、解釈の幅が広いからだし、多くの俳優がシェイクスピアを好むのも、解釈が自由だからだ。好きなところにアクセントを置いてもうまくいく。」

最後の「解釈が自由である」という部分に関しては、ショパンやベートーベンの音楽と比較してバッハの方が演奏者は自由度が高い、という事を言っています。彼のいう通りで、ショパンやベートーベンだと、特にショパンのようなロマン派以降の作曲家の曲は、楽譜上に細かい指示があるし、曲によってそれぞれのイメージがはっきりしているので、演奏者はどのように曲を演奏すべきかはある程度基本的な制約があり、それを大幅に逸脱することは許されませんからね。一方、バッハにはそのような制約がないため、演奏者が独自の解釈を生み出し、自由に演奏する余地があると言う事です。