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UNIDENTIFIED FLYING PROJECT by SIMON WOOD HARRIS

ドミニクがエレキギターを演奏している新しい(?)曲:“Dance The Rain”。あなたはこの曲を知っていますか?なんとこの曲にはピノ・パラディーノデイヴ・ウェックル、そして「あの」キッパーという豪華メンバーも居るようです。

Dominic plays the electric guitar (new?) Song: “Dance the Rain”. Do you know this song? What a surprise, there also seems to be a gorgeous member of the band on this song, Pino Palladino, Dave Weckl and ‘that’ Kipper. 

Dominic’s new? Song with electric guitar : “Dance The Rain”

Dance The Rain by Unidentified Flying Project - Official Video
Dance The Rain – Official Video
The making of 'Dance The Rain' by Unidentified Flying Project Pino Palladino Dave Weckl Peter Cox
Making Of: Dance the Rain

「UNIDENTIFIED FLYING PROJECT by SIMON WOOD HARRIS」というかなり長い時間がかかっている音楽プロジェクトがあります。

これについては私は本当に偶然にドミニクが参加していると言うことを知りました。それはつい今年の5月に知ったんですが、なんとドミニクが参加している曲は既にもう2年も前の2021年に発表されていました。
その曲は『Dance In The Rain』といいます。ベースがピノ・パラディーノ、ドラムがデイヴ・ウェックル、キーボードにはそう、ドミニクが不機嫌な時にいつも笑わせてくれる、スティングで一緒に仕事をしていたキッパーがいます。

これはもう、素晴らしい豪華メンバーですよね。そしてドミニクはこの曲でエレキギターを弾いています。見たときはびっくりしました。スティングとの曲以外にエレキギターを使った新しい音源が出たこと、そして驚いたのは、ドミニク自身がこれを宣伝しているのを見た事がなかったからです。

でもこれについてはちょっと理由がわかりました。

このプロジェクトに関する詳しい経緯はこの公式HPを見て欲しいんですが、スタートしたのはずっと昔、なんと12年前の事のようです。サイモン・ウッド・ハリスという人が発起人で、「60人以上のミュージシャンが12年かけて、14のスタジオで録音された」と書いてあります。エンジニアなど含めると関わった人数は90人にもなるそうです。

この曲にはメイキングビデオがあり、演奏しているドミニクの姿はアルバム『Ad Hoc』をリリースした時、つまり50歳頃のように見えます。
『Ad Hoc』がリリースされたのは2014年なので、約10年前です。このプロジェクトが12年前に始まったという事ですから恐らく本当にその頃に録音した曲だと思います。ですからこの当時は違いますが、今はドミニクはECMに所属するアーティストなので、何かECMとの契約上の理由があって、この曲に関してはあまり自分から大々的に宣伝したりはしないのかな、なんて想像しています。

このHPにあるドミニクについて紹介したコメントには、彼がこのプロジェクトで重要な役割を果たした事が書いてあります。

実はドミニクが録音に参加する前に、既にこの曲には30人以上のミュージシャンが関わり、沢山のこの曲のデモを作ったようですが、サイモンが望む納得出来る演奏をしてくれる人がいなかったようで、完全に行き詰まっていたみたいです。サイモンはもう少しでプロジェクト全体を放棄する寸前だった、と言っています。

しかし、その後、サイモンはドミニクをレコーディングに参加させることに成功し、ドミニクには難しいお願いをしたにもかかわらず、わずか数テイクの演奏でサイモンのイメージ通りに完璧に演奏してくれたため、その結果これでどうにかこれを実現可能なプロジェクトとしてスタートさせることが可能になったと言っています。サイモンはこの曲のギター演奏に、強烈なファンクチューンよりも繊細さ、細部の美しさ、シンプルさを求めていたようです。 まあその要求はドミニクに適していると思います。

この曲のドミニクのカッティングのリフは軽快でシンプルですが、非常にドミニクらしいクリアーで、キラキラした明るい色彩感のある、抜けのいいトーンの演奏です。

この公式HPの文章を少し引用します。

サイモンが求めていたのは、顔面を拳で殴るようなファンク・フォーミュラではなかった。彼が求めていたのは、繊細さ、細部の美しさ、繊細さ、そしてシンプルさだった。(中略)
ドミニクはすぐにサイモンのヴィジョンを理解した。サイモンはトラック全体を通して、ステレオフィールドでの質疑応答のようなギターのヴァイブを望んでいた。ドムは、そんなことを頼まれたのは初めてだと言っていたが、数テイクで完璧に仕上げてくれた。それがこれだった!
やっと、やっと、やっと、ついに実際に何が達成できるのかが見えてきました。完全かつ完璧な充実感とのさざ波は圧倒的なものでした。そのわずかな瞬間に、2~3年にわたる仕事の取り組みがひとつの決定的なポイントに達したのだ。
サイモンはドムをナイロン・ギターと一緒に会場の中央に立たせ、コーラスとアウトロを演奏した。ドムはナイロン・ギターの完全な達人であり、基本的なカッティングと思われたものに魔法をかけることに成功し、完璧な場所に引き上げ、最後に彼が演奏したメロディックなパッセージはただただゴージャスでした。
サイモンにとって、すべてはここから始まったのだ。ドミニクは彼自身が完璧なアーティストです。彼は周囲の人たちに完全な安心感を与えながらも、誰もが自分の芸術性を想像を絶するレベレベルに引き上げることを可能にします。この時点から、 この時点からすべてが現実となり、ドミニクはサイモンがビジョンを達成し始めるための出発点を提供しました。

https://www.unidentifiedflyingproject.com/dominic-miller
それだけ多くの人が形にすることが出来なかった要求を、あっという間に解決する演奏をするドミニクってやっぱり凄いミュージシャンなんだな、と感心したエピソードです。

そしてこのアルバム『95 OF 1』の他の曲にはドミニクの長年のバンド仲間である、ニコラス・フィズマンラーニ・クリジャも参加しています。また、ドラムではオマー・ハキムキース・カーロックの名前もある。つまり、ドミニクがよく知ってるミュージシャンばっかりじゃないか!って事です。これはドミニクが橋渡しをしたんでしょうか?きっとそうなんじゃ無いでしょうか(笑)

このアルバム『95 OF 1』は10月初旬よりBandcampにてプレオーダーが開始され、10月19日より音源ファイルとしてダウンロード可能となります。