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New Dawn

New Dawn – with Neil Stacey

■ Musicians ■

Dominic Miller(ドミニク・ミラー):Acoustic Guitar
■ Neil Stacey(ニール・ステイシー):Acoustic Guitar

・Recording - Molasses Studio, Battersea(London),April 2002
・Producer - Dominic Miller, Neil Stacey
・Recorded By,Mixed By – Peter Kater
・Mastered By – Dave Glasser

■ Songs ■

01. New Dawn(4:27)
02. La Belle Dame Sans Regrets(3:48)
03. El Fado(2:28)
04. La Boca(3:47)
05. Dylan(4:15)
06. David(3:59)
07. Rush Hour(3:26)
08. Promise(3:46)
09. Shape Of My Heart(3:51)
10. Another Day(3:57)
11. Eclipse(2:34)
12. Friends(3:03)

Written By:Dominic Miller(Track:2,4,6,7,9,11),Neil Stacey
(Tracks:1,3,5,8,10,12)

■ Release ■

■ Release Date:2008
■ Rabel:The Naim Label(UK)
■ Number:naimcd066
■ CD

■ Comentary ■

『New Dawn』。2002年にリリースされた、ドミニクとイギリスのギタリスト、ニール・ステーシーとのデュオアルバムです。

最初に皆さんにお断りしておきます。私はこのアルバムの詳細についてあまり情報を持っていないかもしれないです。なぜなら、解説ライナーノーツがCDに付属していないし、調べてもインターネット上にもほとんど詳しい情報がない。唯一わかるのはドミニクの曲はこのアルバムではどれなのか、という事くらいです。

ドミニクはこのアルバムのために新曲を書いたわけではなく、トラック:2,4,6,7,9,11がドミニクの曲です。これらはすべてドミニクの代表曲なので、今さら説明するまでもないかな、と思う。

まず、ニール・ステイシーについては、残念ながら日本ではほとんど情報がないです。調べてみたけどあまり詳細はわからなかった。まあ、これは主に私がドミニク以外のギタリスト、特にジャズ・ギタリストにそれほど詳しくないからで、私が知らないだけかもしれませんが…。

でも本国イギリスでは活躍されているギタリストのようです。少し調べてみました。

『現代イギリスを代表するアコースティック・ギタリストの一人であるニール・ステイシーは、メロディアスでエモーショナルな作曲と、豪快なライヴ・パフォーマンスで知られる。彼はアコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、シンセサイザー・ギターを演奏し、作曲家、アレンジャーとしても活躍している。彼は7歳でギターを弾き始めた。9歳で父親と人前で演奏するようになる。16歳の時、ジミ・ヘンドリックスに触発された自身のロック・グループを結成し、地元で多くのギグに出演した。ニール・ステイシーは、その強烈な叙情性と詩的なスタイルで絶賛される類まれな演奏家&作曲家である。彼の多彩な演奏の中核には、ジャズ、ブルース、クラシック、ブルース、フォークの要素があり、雄弁なメロディーセンスと音楽性に支えられている。
ニールは世界中で演奏し、高い評価を得ている。また、多くの偉大なミュージシャンとレコーディングやコラボレーションを行っている。マーティン・テイラー – ドミニク・ミラー 、ステップス・アヘッド  、クリス・ボッティ ビル・エヴァンス、マイク・スターン 、ジェイソン・レベロ、リチャード・ボナ etc.』

ニール・ステイシー自身の作品をいくつか聴いてみましたが、同じギタリストでも、ドミニクよりは少しテクニック的な部分もアピールしている感じがしました。逆にドミニクは敢えてそういう部分はアピールしないようにしている人です。そういう違いがあるからこそ面白いし、敢えて一緒に作品を作る意義もあるでしょう。

でも、基本的にはもちろんこの作品の2人ともがメロディー、空間を非常に意識しながら演奏している印象です。

冒頭にも書きましたが、私は全くギターを演奏しないので、こういう2人のギタリストによる作品に対しては、本来もっと解説すべき内容があるんだと思いますが、それが出来ないので少し申し訳なく思います。

1曲目の「New Dawn」はまさにタイトル通り夜明けの光景が目に浮かぶ作品です。
これ、最初に弾いてるのがニールで、後から入ってくるギターがドミニクですかね?なんかそんな気がします。

ドミニクの曲はどの曲もそれほど大幅にアレンジを変えているわけではないです。しかし、「Rush Hour」「Shape of My Heart」についてはかなり曲の印象は変わって聞こえます。

ニールの曲「Dylan」「Promise」「Another Day」は結構素朴なシンプルなメロディーが優しい素敵な曲です。

これは夜明け前や夜の静けさの中でじっくりと聴きたいアルバムです。

■ Video ■

Shape of My Heart」はオリジナルはスティングの『Ten Summoner’s Tales』(1993)に収録されていますが、ご存知の通り世界各国のアーティストにモチーフとして再度使用されたり、カヴァーされたりと既に「ポップミュージックの古典」となっている曲です。ドミニク自身も自分のアルバムで様々なヴァージョンでこの曲を繰り返し録音しています。クラシックアルバム『Shapes』、そしてこのアルバム『New Dawn』、サルサヴァージョンが収められた『Hecho En Cuba』のこの曲をを聴き比べてみるとやはり非常に面白いです。

このアルバムでは少しオリジナルのスティングの「歌」の部分がやや説明的かな?と感じたりもしますが、それは2人で演奏しているので仕方がないかもしれません。エンディングの部分が非常に美しいです。

■ Review-1 ■

レビュー:スティングのギタリスト、ドミニク・ミラーニール・ステイシー『New Dawn』という素晴らしいレコードを一緒に作った。2人とも有名なギタリストで、素晴らしいキャリアを持っている。二人とも作曲家でありアレンジャーであり、ソロでもグループでも演奏する。このアルバムで素晴らしいのは、2人のギタリストが互いにアドリブや交流の為の多くのスペースをを与えていることだ。タイトル・トラック「New Dawn」は、ドミニク・ミラーがスティングと共演した時の典型的な影響を受けており、ニールとドミニクは、サウンド・プロセッサーを多用した素晴らしい雰囲気の中で、ユニークな想像上のサウンドスケープを作り上げている。

ニールの作品「El Fado」は、アレンジの創造的な芸術と2人の演奏の完璧なバランスを示している。「Rush Hour」は、ドミニクが彼のファースト・ソロ・アルバム『First Touch』で初めて発表した曲で、今回はニールとドミニクによってリアレンジされている。ドミニクはこのユニークなテーマで素晴らしい速いベース・ラインを弾き、ニールは彼の厳しいテクニカルな演奏テクニックを先取りしている。「Promise」は実に落ち着きのある曲で、とても穏やかで、2人が一緒に作り出す素敵な雰囲気が、聴く者をゾクゾクさせる。ドミニクもスティングの「Shape Of My Heart」を演奏しており、兄弟のように互いのコミュニケーションに大きな期待を寄せている。ラストの「Friends」は、ニールとドミニクの作曲方法とテクニカルな演奏能力をグルーヴ感のある曲で表現している。『New Dawn』は最初から最後の一音まで、瞑想的で感動的なギター・アルバムだ。素晴らしい作品だ。【Bridge Guitar Reviews/ Henk te Veldhuis】