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My Collection-1

■ STING 【Soul Cages Tour】パンフレット ■

【The Soul Cages Tour】1991-1992
・Sting (スティング): Ba
・Dominic Miller (ドミニク・ミラー): G
・Vinnie Colaiuta (ヴィニー・カリウタ): Ds
・David Sancious  (デヴィッド・サンシャス): Key,G
Sting -Jeremiah Blues Pt.1
Sting - Seven days / Fields of gold (Live in Oslo, 1993)

My First Impressions of Dominic

私はアーティストには申し訳ないけどライブで物販全然買わない人です。基本的に興味がない。だけどこの時は違いました。ライブの途中から「このギタリストは一体誰なの!!!」という事で頭が一杯だったので、ドミニクの事を知る為にこのパンフレットを買いました。
そしたらその写真がステージ上で見るよりずっと幼い感じで「少年じゃん!」って(笑)ステージ上で見る彼はとても色気があったのに。
まあ今も当時のビデオを見ると、やっぱり演奏中ドミニクは凄いセクシーでカッコいいんで未だにドキドキするんですが、スティングがメンバー紹介で呼んだ時のドミニクの笑顔がまぁすごく可愛いんです。そのギャップにますますやられましたね・・・。

このサイトの【Introduction-始めに-】のページの写真と上の動画の下のものはまさにメンバー紹介されてる時のものです。「ぴょこん!」って感じでおじぎするんですよ(笑)この時の笑顔がとにかく素敵で。彼はあの時すでに結婚していて息子のルーファスも産まれていましたけど、非常に表情が豊かで、セクシーな一面と少年のような無邪気さを併せ持った、とても興味深い不思議な人だなぁと思いました。

日本ではドミニクはやっている音楽がすごく繊細で美しい音を追求していて、物静かにギターを弾いている印象が強いためか、時々「神経質そう」だとか「頑固そう」だとか「無口でなかなか心を開かない人」のように思われている事が多いようです。しかし私は真逆の印象しかない。
彼は確かに音楽に対しては大変真剣で厳しい人だと思いますし、静かな環境で自分自身を見つめる時間が好きな人だとは思います。
しかし、不必要な緊張を他人に強いる人じゃないですね。ドミニクは演奏面でも自分の感情の表現を相当コントロールしようとしますが、でも私は彼の音からはとても人間臭くて暖かい心を感じるから好きです。彼は自分のエゴを押し通すよりももっと全体の調和を大事にする人だと思います。

ドミニクの最近の写真のほとんどは凄く厳格な印象で 「ECMアーティストらしく」撮られている為、私のドミニクのイメージとはかなりかけ離れています。私のドミニクのイメージはいつも笑顔で、かなり「いたずらっ気」のある人の印象です。昔の彼のバンドメンバーと一緒にいる写真なんか見てください。いつもなんかいたずらを企てているような表情をしていると思います。

ドミニクは割と背が高いです。私は日本人の中でも小柄な方なので、彼と話す時はどうしても見上げる形になりますが、ドイツで彼にあった時、彼は自分の方から屈んで私の視線に降りてきていました。彼は全く無意識にそれをやっていたと思います。しかも私はかなり長い時間、緊張で言葉が出ずに、彼を待たせていましたが、ドミニクは何も急かすことなく、ずっと真横でニコニコしながら待っててくれました。だけど、実は後から聞いた話ですが、その日、ドミニクもバンドの人たちも急いでいたらしいです。

でも、そういった事を見るだけでも彼がどれだけ自分の音楽を聴きに来てくれる「たった一人」の人間でも大事にして、ちゃんと話を聞こうとしているか、という証拠だと思います。私がドミニクと話したのは1回だけだし、そんな長時間話したわけでもない。だけどその時の彼の私への対応や、他の人にもしていた対応の様子を見ていてもそうとしか思わないです。彼のライブに行って彼と話したことがある人なら、みんなそう思うんじゃないでしょうか?

だから、最初に見たときから彼も歳はとったかもしれませんが、私の彼に対する印象はあまり変わってないですね。2023年、彼は63歳になりました。だけど笑った時はやっぱりどこか少年ぽい純粋なものが残ってる人だな、と思いました。

私にはドミニク以外にも、もちろん大好きなギタリスト、ジェフ・ベックとかいます。彼らは確かに「ギター・ヒーロー」です。
ですが、1992年のこの時以来、私にとって「ギターを持った王子様」であるのは、世界でたった一人、ドミニク・ミラー、彼だけです。
そしてそれはどんなに彼が歳を取っておじいちゃんになっても、変わる事はないですね。

About Soul Cages Tour

ドミニクがスティングの元に来たばかりのこの「The Soul Cages Tour」のコンサートは今聴いても本当に素晴らしいです。33年経った今も全く古臭さを感じないどころかドミニクのこの演奏は何度聞いても本当に新鮮に感じられます。この強力なバンドメンバー全員が全力でする演奏は本当にスリリングで何度聞いても興奮します。 この4人のメンバーは本当に強力でした。他の楽器パートなんか全く必要なくて、バンドサウンドとして理想的な形だったように思います。4人でこれだけ音の密度が濃い演奏が出来るのが本当に驚きです。ドミニクもまだそこまでスティングの事を理解していなかったしょうから、スティングにあまり遠慮せずに思いっきり「自分がその時最高だと思う演奏」を全力でやっていた気がします。このツアーのドミニクは本当に生き生きと本当に自分らしくプレーしていたと感じます。
「テン・サマナーズ・テイルズ」の音楽もツアーも確かに良かった。だけどやっぱり私はあの「ソウル・ケージ」の音楽とツアーは最高のものだったと思っています。それは別に最初にドミニクに出会ったコンサートだから、という感傷的な事が原因ではありません。純粋に音楽的に私はあれが最高だったと思っています。
私は2023年の3月にあったスティングの「My Songs Tour」のコンサートに行きました。申し訳ないのですが私はあれには満足していません。
この「ソウル・ケージ・ツアー」から後、数年間のコンサートを経験している私は、今のスティングのツアーにはどうしても満足はできません。しかし、ドミニク自身の音楽については、今、私はこれまでで一番最高に満足しています。だから私はスティングの今のツアーに満足できない、と思う事がドミニクの音楽や仕事を否定する事にはならないと思っています。私はドミニクに対して本心でもない事を言う事はできません。そしてそれはドミニクもそれを理解しているはずだと思っています。