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Manu Katché

Dom’s Friend – Manu Katché (Drs)

Ryuichi Sakamoto - Calling from Tokyo (Live 1992)
Ryuichi Sakamoto - M.A.Y. in the Backyard (Live 1992)
Manu Katché Zildjan Commercial Presentation
Manu Katché - Keep on trippin' (clip officiel)
マヌ・カチェ(Manu Katché):1958年フランス生まれ。現代ドラマーの最高峰の一人でしょう。私の周囲にいるプロのドラマー達も、マヌのプレイを尊敬している人は多いです。彼を好きじゃない、なんて言ってる人も聞いた事がありませんし私も大好きです。

彼はロック、ポップ、JAZZと様々なフィールドで彼独自の世界を作ります。実にエレガントでしなやかな演奏をするドラマーです。繊細だけど大胆でもあり、強弱のメリハリが強い、アクセントを効かせた演奏をします。音もすごく芯があるやばいくらいいい音です。

マヌは多くの有名アーティストとも共演しており、最も成功した作品のひとつがピーター・ガブリエル「SO」。特に「Sledgehammer」でのパフォーマンスは有名です。また、スティングジョニ・ミッチェルといったアーティストとの共演でもよく知られています。彼は緻密なリズムの中にアイデア豊富なフィルを駆使して、ダイナミックな演奏をする事もあれば、巧みなシンバルワーク、特にフロントにある小口径のスプラッシュシンバルのアクセントによって、繊細かつ実に表現力豊かな演奏をします。でもねぇ、マヌはハイハットの刻みもやばいんです・・・。

ドミニクのアルバム「Absinthe」では全面的にマヌが参加していますが、そこでのマヌの演奏は本当に繊細で優雅で、かつ大胆です。私はドラマーの演奏に対して「エレガント」なんて感じるのはマヌくらいですね。あの作品は元々ドミニクがマヌと録音する事を決めてから曲を書いた事もあって、本当にあのアルバムの世界はマヌでなければ完成できなかったものだと思っています。彼の巧みなシンバルの使い分けによって私には「音階」が聞こえます。そしてそのシンバルの輝くような透明な響きがドミニクのギターの音の輝きと素晴らしいハーモニーを作っていると感じます。

ドミニクとマヌの出会いは恐らくジュリア・フォーダムのアルバム「Porcelain」(1989)かもしれません。
それ以降、ドミニク、マヌ、ピノ・パラディーノの3人は色んな人のレコーディングで良く顔を合わせるようになり、「The Tweeters」という名前のユニットを組みます。アルバムも作りたかったようですが、3人全員が超売れっ子ミュージシャンだった為、忙しすぎて実現に至らず。本当に残念です。もしこの3人で今後ライブをやってくれたら私はそれが宇宙であろうと観に行きます(笑)

マヌはソロアルバムも沢山出していますがどれも本当に素晴らしいです。この方は作曲家としても才能がありますね。これにはドミニクも録音に参加しています。マヌの最初のソロアルバム「It's About Time」(1991)にドミニクも5曲に参加しています。(Track:1,5,7,10,11)
特に、スティングとピーター・ガブリエルがヴォーカルをとる7曲目「Silence」でのドミニクの演奏は、彼のギタープレイの特徴がよく出ているので、必聴です。

そして、マヌといえば日本ではスティングやピーター・ガブリエルのツアー以外にも、坂本龍一のツアー(1992年:HeartBeat Japan Tour)に参加していたのが印象に残っている人も多いと思います。
その時のコンサートの動画をご紹介しましょう。このツアーは実に素晴らしくて今聴いても本当にかっこいいです。
教授も生前、この1992年のツアーメンバーが最も素晴らしかったと語っていました。
またこの時のマヌのエピソードがリズム&ドラムマガジンかなんかに載っていたのを読んだ記憶があります。詳細は忘れましたが、教授もマヌも忙しいので、リハーサルはライブ直前ギリギリに行われました。しかし、マヌは日本に来るまでに、教授の曲を1曲につきいくつものパターンの演奏の録音を取り寄せて、それを何百回も聴いてきていた。だからリハーサルの時には坂本龍一のタイム感の特徴は完璧に体得していて、教授が驚いて感激したという話があります。

今年、教授が亡くなった時、マヌはインスタグラムで教授への追悼の投稿をしてくれていました。日本人として、本当に嬉しかったです。

他にマヌの演奏スタイルがよくわかるシンバルメーカー、ジルジャン製作の動画とマヌのソロ作品の動画を一つご紹介します。これはジェイソン・リベロやピノ・パラディーノがいます。ピノ・パラディーノとのコンビのグルーヴはもう強烈にかっこいいです。(ピノのプレベの音も最高だ!)マンフレート・アイヒャーはとても楽しそうです。いやーマヌにもまた早く久しぶりに日本にきて欲しいです!