【Jazz Tokyo 5.5】Live Report : Dominic Miller in Japan 2024
ドミニク・ミラーの日本での7公演についてライブレポートを書きました。これも先日の私のドミニクのインタビューが掲載されたウェブサイト、日本のECMマネージャーである稲岡さんのサイト Jazz Tokyoに出ています。日本語の後に英語でも読めます。この下の部分をクリックして頂ければ掲載記事に飛びます。(既に記事の著作権はJazz Tokyoにある為。)その前の私が行ったドミニクの来日直前インタビューに関してはこちらをご覧ください。
I wrote a live report about Dominic Miller’s seven concerts in Japan. This is featured on the website Jazz Tokyo(The Administrator is Kenny Inaoka, ECM Japan Manager.)where my recent interview with Dominic was published. You can read it in English after the Japanese.Click on the part below to jump to the article. (Because the article is already copyrighted by Jazz Tokyo.) For my earlier interview with Dominic just before his visit to Japan, see here.
ライブレポートなどというのはどんなに言葉を尽くしてもその実際の様子が伝わる訳はないと思うので、会場の雰囲気を伝えることに加えて、皆さんがあまり知らないような曲の解説を入れています。
I think that no amount of words in a live report can convey the actual situation, so as well as conveying the atmosphere of the venue, I also include explanation of songs that probably you don’t know much about.
東京公演初日の写真が記事に追加されました。(6月18日) Photos from the first day of the Tokyo show have been added to the article.(18 Jun.)
オープニング曲”Rita”について
私は特に今回、オープニングの未発表曲「Rita」に大変感銘を受けました。この曲についてはドミニクに聞いた意外な事をこの記事の最後に書いてあります。
このゆっくりと淡々と多くの空間を残しながら、しっかりと繰り返し単音を演奏する曲は、ドミニクがどういうミュージシャンでどのような音楽的価値観を持つ人なのかを全て表現していたと思います。
また、このような曲をオープニングに選ぶのは通常かなり挑戦的な試みですが、この演奏で完全にこれから始まるショーに期待を抱かせるものでした。これはドミニクのような美しい音と強い集中力を持つ熟練のミュージシャンでなければ出来ない事だと思いました。
だけどこの曲はその後の上海の2公演では演奏していません。香港はどうだったのかよく分かりません。しかし4月の14日のウィーンでの公演が深夜に中継があったので私は見たのですが、その時は演奏していました。確かにこの曲は会場の雰囲気や条件は選ぶかもしれないですね。今回のツアーでドミニクは2ヶ月で50ヶ所の会場で演奏をする訳ですが、このライブレポートにある日本公演の全公演のセットリストと、他の場所でのおそらくセットリストは違うはずです。
その他、最近思ったことについて
実は先日、私は日本でツアー中のラリー・カールトンのライブを観ました。そりゃあもう素晴らしいライブでした。本人の名曲「Room335」から、私の大好きなスティーリー・ダンの「Kid Charlemagne」、他にもクルセイダーズまで最高でした。
実はドミニクは結構ラリーの影響を受けています。ドミニク自身彼からの影響を話していますし、実際エレキギターを弾くとラリーっぽい雰囲気が出て来る時があります。個人的にアルバム『November』のボーナストラック「Chanson Ⅱ reprise」や、『Hecho en Cuba』収録の「D’pronto」での演奏などはそう感じます。
そしてこのラリーのライブはバンドメンバーも素晴らしかったです。特にドラマーのゲイリー・ノヴァクはやばいほど上手かった!
結局、どんなにフロントマン一人が凄い才能があっても支える素晴らしいメンバーが居ないとダメなんです。それは先日私が見た、ダリル・ホールのハウスバンドや、ボズ・スキャッグスのバンドを見ても痛感しました。
でもこういうことは、中々実際に彼らの演奏を会場で観ないと凄さは分からない。ドミニクのバンドも同じです。だからまだヨーロッパでは残りのライブがありますから是非観に行って欲しいです。
私は彼らのようなプロフェッショナルな人達が大好きです。私はドミニクを彼の名前も一切知らない状態、何の先入観もない状態でスティングのソウルケージツアーで観て、彼のことが忘れられなくなり、今もこうやって応援しています。
だから今もしこれを読んでいる人の中で、ミュージシャンシャン生活があまり上手くいってない人が居たら私はこう伝えたい。
音楽人生なんて殆ど報われる事はない厳しい道だと思います。中途半端な覚悟なら辞めたほうがいいでしょう。いつも批判されることばかりで称賛されることなんかほとんどないと思います。しかし、ちゃんとあなたが正しい努力をし続ければ、あなたを評価して応援する人はきっといます。だからそれを信じて頑張って下さい。
最後に。今回のドミニクの日本公演の告知のために、急な私の依頼を快く引き受けていただきました、Jazz Tokyo様にお礼を申し上げます。編集長・管理人である稲岡様、副編集長横井様、そして私がドミニクに会いに行った去年の5月から、私がやっている事を見て、Jazz Tokyoとの橋渡しを引き受けて頂きました神野様、本当にありがとうございました。こんな公にメディアに出す記事を書くなど初めての事で少し困惑しましたが、そこそこ良い記事をドミニクの音楽人生の一つの記録として、きちんと残せたのでは無いかなと思います。ご協力に心から感謝いたします。