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First Touch

■ First Touch

Dominic Miller's 'La Boca' live in Riga

■ Musicians ■

Dominic Miller(ドミニク・ミラー):G
■ Barry Kinder(バリー・キンダー):Ds/Tracks(8,11)
■ Mike Lindup(マイク・リンダップ):Vo/Tracks(10)

・Recording - Spare Room(London)1995
・Producer - Dominic Miller
・Recorded By,Mixed By – Dominic Miller,Simon Osborne
・Mastered By – Tony Cousins
・Photographer - Sasha Gusov

■ Songs ■

01. Eclipse(2:34)
02. Do You Want Me(2:15)
03. February Sun(4:08)
04. Rush Hour(3:30)
05. La Boca(4:08)
06. Looking For(4:40)
07. Buenos Aires(2:57)
08. Scan(3:49)
09. David(3:56)
10. Ten Years(3:47)
11. Last Dance(2:46)

Written By:Dominic Miller
Except:Tracks:3,4(Dominic Miller, Pino Palladino)Tracks:5(Dominic Miller,Joan Manuel Serrat)
       

■ Release ■

■ Release Date:1995
■ Rabel:EarthBeat!(US)
■ Number:R2 72932
■ CD,Album
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■ Release Date:1995
■ Rabel:Rutis Music Ltd(UK)
■ Number:RM 001 CD
■ CD,Album
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■ Release Date:1997
■ Rabel:Amiata Records(Italy)
■ Number:ARNR 0197
■ CD,Album
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■ Release Date:2003
■ Rabel:Q-Rious Music(Germany)
■ Number:QRM 104-2
■ CD,Album,digipak
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■ Release Date:1999
■ Rabel:Rutis Music Ltd,BMG(UK)
■ Number:DOM3CD
■ CD,Vynal,Cassette

■ Comentary ■

この作品について

ドミニクの1995年にリリースされた1stソロアルバムです。1994年から1995年にかけてのスティングの『 Ten Summoner’s Tales』の間に企画され、曲は1995年の春に書かれたようです。ドミニクはこの記念すべき最初のソロアルバムの制作を、家族に囲まれた自宅でする事を選択しました。
彼は「この『First Touch』の音楽こそが本当の僕自身の音楽だと言えるね。ブエノスアイレスで生まれ育ったから、スパニッシュ・ギターで弾く南米の音楽からはかなり影響を受けたよ。僕は本来エレクトリック・ギターのプレイヤーでは無いから、自分が出したい音がどうしてもエレクトリックでは出てこないんだよ。」と説明しています。実際にはこの録音は彼の家の「Spare Room」で行われ、少し雑音もあったためメインの楽器はアコースティックではなく、P-Project/A1-N エレクトリック・ナイロン弦が使用されています。

ジャケット写真のギターを弾くドミニクに「First Touch」している可愛い手は、彼のお嬢さんのミスティです。彼女もまた父親と同じくミュージシャンとして活動しています。時々ドミニクのライブで歌ったりしていましたね。その彼女ももう母親になったようです。

1曲目の「Eclipse」。ドミニクの記念すべきこの1曲目もまた、ミスティに関連する曲です。「Eclipse」つまり「月食」ですが、彼女は “ミスト(霧) “が漂う「月食の日」に生まれたことから”ミスティ “と名付けられました。こういうお嬢さんの誕生に因んだ曲なので、ドミニクはこの曲の事をとても大事に思っています。ですから曲が素晴らしいという事もあり、今もこの曲は彼のライブの「定番の曲」になっています。彼は音楽のために中々子供達の側にいる事が出来なかった父親でした。ですから会えない子供達への想いを込めた、子供の名前が付けられた曲が多く作られています。
ドミニクの曲のほとんどは、家族や友人、近所の風景といった身近なものからインスピレーションを得ています。
そして彼の個人的な身近な情景は、彼の歌を通して私にも身近なものになる。だから、他のミュージシャンの曲を聴くときはそんなことはしないんですが、ドミニクの曲を聴くときは、「この曲を書いたとき、彼は何を経験し、何を見たんだろう?」と考えます。そういうことを想像するのがとても好きなんです。

他にも「Do You Want Me」,「Rush Hour」,「La Boca」などドミニクの代表曲になっている曲があり、これらは今もライブで演奏されます。「La Boca」というのはドミニクが生まれた街の、古い元々の名前なんだそうです。だからこの曲はその街への個人的なオマージュなんだそうです。

「David」という大変に美しい曲は95年の夏に亡くなった彼の友人のために書いたもので、このアルバムの最後に書かれた曲です。作曲から録音が終わるまで「とても早かった曲」だとドミニクは言っています。

ドミニクはこのアルバムの制作にあたり、当時仕事をしていた3人のアーティストから受けた影響についても語っています。1人はイギリスのバンド、Talk Talkのリーダーだった故マーク・ホリス。ドミニクはマークのソロアルバム「Malk Hollis」(1998)に参加しています。また、87~88年まで参加していた「ワールド・パーティー」のカール・ワリンジャーと、スティングからの影響についても言及しています。

進化するために自分のやるべき事をやる

【以下は、その後のドミニクから感じる個人的な見解です。】
こういった名曲揃いの傑作アルバムだったので、この後ドミニクは周囲からまた同じようなテイストの作品を期待される事が非常に多かったようです。

ドミニクはこのアルバムの20周年記念盤でこのように述べています。
「人々はよくこれが私のアルバムの中でお気に入りだと言います。私はこの音楽に共感したすべての人々と強い絆を感じています。」

ドミニクはこのように言っていますが、私は彼のその後のインタビューやアルバムから「リスナーの期待をいい意味で裏切りたい」という彼の強い意志を感じます。彼はこの1stアルバムを好きだと言ってくれる人に感謝すると同時に、音楽家としてはとても複雑な心境だったのではないでしょうか?
「あなたの一番最初の作品が一番好きだ」という言葉は、創造をする人間にとっては必ずしも賛辞にならないかもしれません。私も創造をする立場の人間として、そのように言われると嬉しいけどとても悔しくなるでしょう。誰でも今の自分の方が以前より進化しているはずだと信じています。ですからドミニクもそういう心境だったのではないでしょうか?

実際、ドミニクはアルバム『Ad Hoc』発売時にこのように語っています。

「ミュージシャンとして私たちは進化しています。進歩するために、私たちはやるべきことをやらなければならない。時には、それはリスナーに合わない方向へ進むことも含まれる。常にリスナーに合った音楽を作ったり、リスナーが望むアルバムを作ったりしていればいいのでしょうか?それでは、私たちはどこか予測可能であったり、安全策をとっていることにならないでしょうか?」「私は潜在的なコストやリスクを承知でチャンスをものにする人が好きだし、尊敬している。実際、私はそれを好む。」

上記の言葉は、ミュージシャン「ドミニク・ミラー」の本質を端的に表していると思います。彼のこれまでの音楽家としての振る舞いを考えれば、そうとしか言いようがない。だから、きっと彼はこれからも「聴き手の期待をいい意味で裏切る新しい挑戦」をやめなでしょう。

Dominic’s Comments

「David」『First Touch』のために書いた最後の曲だ。「David」とは、95年の夏に亡くなった友人の名前だ。翌日、彼の奥さんから電話があり、彼に曲を書いてもらえないかと頼まれた。私は何も考えずにそうすると答え、その結果、同じ日の午後に何も考えずに書いたのがこの曲だ。まるで曲自身が自分で書いたかのようにね。私はただそこにいた。今までで一番早く作曲できたと思う。いつもは時間をかけてあらゆる選択肢を試したいんだ。この曲は、聴いたとおりの形になった。作曲からレコーディングまで1時間もかからなかった。「David」は、『First Touch』のジグソーパズルの最後のピースとなった曲だと感じています。

「Eclipse」ではノーマル・チューニングを使った。「Looking For」ではDADGAD、「Rush Hour」「February Sun」ではドロップD、「Ten Years」ではドロップCを使った。弾いたギターは日本製のP-Projectエレクトリック・ナイロン弦。「Last Dance」ではオベーションを使った12本のギターでない曲は「Eclipse」、「Ten Years」、「David」だけだ。すべての曲は指で弾いている。この音が好きなんだ。ここ数年は爪を立てずに指で弾いている。より暖かい音だ。明るくない。2(ドミニクの公式サイトに以前掲載されていた彼の回答より)

■ Video ■

One Shot Not 2011, Dominic Miller, Katché, Pino Palladino Rush Hour

ドミニク・ミラーマヌ・カチェピノ・パラディーノ。全員がスーパーなリズム感を持つ世界トップミュージシャンの夢のユニットだ。
実はこのトリオはちゃんと名前があったんです。その名もなんと「The Tweeters 」!そして恐らく1998年-2000年ごろ、ちゃんとアルバムを制作する計画もあった。
しかし残念ながら実現しなかった。別にお互いに喧嘩した訳ではない。ただただ全員が「忙しすぎた!」マヌ・カチェも「理想的なバンドになる筈だった!しかし皆自分の仕事で忙しすぎた!」と言っていた。まあ確かにこのメンバーのスケジュールを合わせるのは至難の技だよね。だけどその計画が実現していたらきっと本当に後世に残る凄い作品になったのは間違いないので、残念の極みですね・・・。

■ Review-1 ■

レビュー:スティング、ティナ・ターナー、プリテンダーズ、ザ・チーフタンズ、フィル・コリンズらと共演したギタリスト、ドミニク・ミラーが、極めてスムースなソロ・アルバム『First Touch』をリリースした。彼のリラックスした、ソウルフルで内省的なスタイルは、親密さと繊細な美しさを漂わせ、聴く者の心をとらえる。ストリングスのソフトなタッチは、穏やかさ、繊細さ、親密さを表現している。ミラーの楽器の扱い方の巧みさは、他のミュージシャン、特にスティングに独特のサウンドを与えた。ギターは、その力強さだけでなくニュアンスも理解できる人の手にかかると、静かな夜のムードを高める魔法のようなメロディーを紡ぎ出すことができ、空気に溶け込むような優しく叙情的なパッセージで雰囲気を温めることができる。【オルタネイト・ミュージック・プレス- ダン・リス】

■ Review-2 ■

レビュー:フィンガースタイル・ギターとピック弾きのメロディーを用いたスムース・ジャズ・アルバム『First Touch』は、ドミニク・ミラーのリーダーとしての初セッションである。このギタリストは、スティング、フィル・コリンズ、ティナ・ターナーといった著名なミュージシャンと仕事をしてきた。この1995年のデビュー・アルバムでは、彼のオーバーダブ・ギターをフィーチャーし、いくつかのトラックではゲストによるサポートも加わっている。ミラーの自作曲は、浮遊感のあるメロディー、心地よいハーモニー、ゆったりとした “ソフト・タッチ “のリズムで、イージーリスニングのジャンルを代表する。Boca」はラテンとスムースを織り交ぜ、「Rush Hour」はサスペンスフルなドラマを含み、「Ten Years」はゲストのマイク・リンダップによる夢のような言葉のないボーカルを含み、「Scan」はゲストのドラマー、バリー・キンダーによる機関車のようなリズムの上に乗っている。【All About Jazz/Jim Santella】

  1. おそらく1983年のコレクターズ・リミテッド・シリーズ。 ↩︎
  2. ドミニクはアコースティック・ギターを爪ではなく指で弾きます。彼はエレキギターも弾く事が多いので、爪を長くしているとどうしても削れてしまう。
    だから指で弾いて良い音が出せるように猛練習したそうです。結果的に「以前よりも良い音になった」ので、「指で弾く決断はとても素晴らしい決断だった」と語っています。 ↩︎
  3. Probably of the 1983 collector’s limited series. ↩︎
  4. Dominic plays acoustic guitar with his fingers, not his nails. He also plays electric guitar a lot, so keeping his nails long would inevitably cause them to chip off.So he practised hard to get a better sound by playing with his fingers. As a result, he says, ‘the sound is better than before’ and ‘the decision to play with my fingers was a great decision’. ↩︎