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Introduction -始めに-

Introduction -始めに-

Sting - The Soul Cages (Live At The Hollywood Bowl 1991)

ドミニク・ミラーの日本ファンページにお越しいただき、ありがとうございます。サイト管理人のMinakoと言います。まず私がこのサイトを開設した経緯を初めに説明させて下さい。申し訳ありませんが少し長いです。

私がドミニク・ミラーの演奏を初めて見たのは、1992年1月25日のスティングソウルケージ・ツアー@横浜アリーナのライブでした。
私は初めて見るスティングとドラムのヴィニー・カリウタを楽しみにしていました。しかしライブが始まると彼らではなく、当時名前も知らなかったギタリストに耳も目も釘付けになりました。彼の音と演奏は今まで聞いたどのギタリストとも違っていました。

それ以降、30年以上もスティングの横にいるドミニク・ミラーというギタリストは、彼にしか出せない美しい音で定評がある人です。彼は既に30年前から実に色彩感豊かな美しい音をしていました。アルバム「The Soul Cages」の全体的に少し暗い世界の中で、ドミニクの音は無数に散りばめられたダイヤモンドの煌めきのようでした。私は初めて聞いたあの彼の音を30年経った今でも忘れる事はできません。

ただ彼には問題がありました。音と演奏が素晴らしい上にとてもセクシーでカッコよかったのです。だから私はすぐに彼に夢中になり、他の音楽を余り聞けないという状態になりました。しかしそれはダメだと思い、彼のソロ作品は聴いていたものの、敢えてあまり注意を向けないように努力し、その間私は出来るだけ多くのスタイルの音楽を聴くようにしていました。

しかし結局その努力は全く無駄な抵抗でした。ECMからリリースされた彼の3つの作品は、もはやまったく逃れることは不可能な音楽でした。私にとって彼が曲に込めた歌や『Narrative(物語)』は、世界中のあらゆる音楽の中で最も大切なものだと言うことは明らかでした。

しかし残念な事に、日本で彼の事はあれだけ長くスティングの横にいるのに、相当音楽が好きな人でなければ余り名前を知られていません。あの歴史的名曲「Shape of My Heart」を演奏している人さえ知らなかったりする。これは信じられない話です。
ドミニク・ミラーという人は、今までの彼の音楽的な実績を考えると、本当に謙虚すぎる人だと思います。私は今の日本で彼の音楽や情報がちゃんと伝わっているとは思えません。彼はとても忙しい人です。だから私はその彼の替わりに1人でも多くの人に彼の事を伝える手助けができればと思いました。

【彼の音楽を日本で一人でも多くの人に聴いてほしい。】

私は2023年5月にドイツで行われたドミニクのライブに行きました。そして直接彼と話し、私のこの願いとそれを実現するための提案を書いた手紙を渡しました。そして後日ドミニクから届いたメッセージによると、私のこの思いは彼にきちんと伝わったようで、とても好意的なものでした。

これはまだどうなるかは全く判りません。しかし私はそれにチャレンジします。その為にこのサイトを作りました。彼が自分の信じる音楽を追求し、挑戦し続けてくれる事。そしてその結果、世界中で一人でも多くの人が彼の音楽を聴いてくれるようになる事は、私自身の夢でもあるのです。
ここに来れば、日本人だけでなく世界中の人が彼についての情報を得られるようなサイトを目指していきます。私は彼の忠実なファンの一人に過ぎませんが、彼のために何かできることがあると信じています。

また、私は彼の音楽がとても好きですが、彼の音楽哲学、そして彼の仕事に対するプロ意識の高さを本当に尊敬しています。彼の仕事に対する考え方や取り組む姿勢を見ていると、根本的にとても信用が出来る人だと感じます。人間として信用がおける人物であるという事は、音楽に限らず大変重要な事ですですから私はただ単純に彼の音楽の情報だけを知らせるのではなく、彼の音楽哲学と仕事へのポリシーについて、また人間的な魅力についても伝えていきたいと思っています。何故なら彼のような世界の第一線で長く活躍してきたミュージシャンの考え方は、日本の若い音楽を志す人たちにとっても非常に大切なことが多いと感じるからです。

最後に。彼はとても演奏テクニックのある人です。なんでも弾けます。しかしあまり多くの音を出さないいわゆる「弾かないギタリスト」です。彼は音の無い空間を大事にします。そして自分のエゴよりも音楽の本質を大事にします。彼は音楽を最高のものにするために自分が何ができるかを常に考えています。自己主張よりも全体の調和を優先します。

彼の創り出す音は、絵画の巨匠が血の滲むような練習を重ねて引いた1本のデッサンの線に似ていると思います。巨匠が描いた線は対象物の本質を捉えた「生きた線」です。だから沢山の線は存在しません。必要なのは1本だけです。ドミニクの創り出す音も同じです。彼は「これしかない」という「その1音」で表現したいものの本質を捉えようとします。そういう音楽家だと私は思っています。

どうか皆さんドミニク・ミラーの音楽を聴いてみてください。きっと気に入る曲があるはずです。

11.10.2023 管理人:Minako